米国株とは主としてニューヨーク証券取引所やナスダック証券取引所などの米国証券取引所に上場している株式のことです。NYSE(ニューヨーク証券取引所)は歴史のある証券取引所であり有名な大型企業が多く上場しています。

NASDAQ(ナスダック証券取引所)はハイテク企業やベンチャー企業が上場している証券取引所です。

 

ここでは、米国株への投資のメリットとデメリットを3つずつご紹介したいと思います。

 まずはメリットについて。

(1)1株単位で投資できるため少額分散投資がしやすい

日本株は通常100株単位で取引を行いますが、米国株は1株単位で取引できます。仮に株価が5,000円の場合、日本株なら50万円必要ですが、米国株は5,000円から取引可能です。

日本株でも100株未満(単元未満株)、例えば1株単位で取引できる場合もあります。ただし、単元未満株取引は取引参加者同士の注文が約定する取引所形式ではなく、証券会社を相手に取引を行う相対取引です。

 

(2)長期的に高い成長を期待できるため長期投資に向いている

米国株は、マイクロソフト(MSFT)やアップル(AAPL)のように、高成長を実現した銘柄が多数あります。日本株においても成長株はありますが、やはり規模からして米国株に劣っていることは事実です。

 (3)日本株と比べて高配当銘柄が多い

米国企業は、日本企業と比べて株主への利益還元姿勢が積極的であると言われています。

実際、米国株には配当金の額を毎年増額し続けている連続増配銘柄が多く、30年以上連続増配銘柄は約25銘柄ほどあるようです。

また、配当金を受け取れる頻度も異なります。日本株は1年に1回または2回ですが、米国株は1年に4回受け取れることが一般的です。

次にデメリットについて。

(1)為替変動リスクがある

米国株投資では、仮に買値と同じ価格で売却しても為替変動によって損することがあります。

例えば、株価100ドルの銘柄を1ドル110円のときに買付けたとします。このとき、時価は1万1,000円です。そして、株価100ドルは変わらず、1ドル100円になるとどうでしょう。

時価は1万円となり、1,000円の為替差損が生じてしまいました。つまり、株価が変わらずとも為替変動によって円貨換算ベースの損益は変動することになります。

 

(2)取引コストが高くなりがち

日本株と比べ、米国株は取引に伴い負担するコストが高くなりがちです。

米国株取引における一般的な取引コストは取引手数料が0.495%(税込)、為替コストが1米ドルにつき25銭(片道)です。

 

(3)二重課税が発生することがある

米国株の取引において、キャピタルゲインは日本株と同様ですが、インカムゲインは米国と日本で二重課税が発生することがあります。具体的には、配当金が支払われる際に米国で10%の源泉徴収がされ、日本でも約20%の源泉徴収が行われるのです。

二重課税に対しては外国税額控除という所得税の税額控除制度がありますが、適用を受けるためには確定申告をしなければなりません。

米国株は、日本株よりも高いパフォーマンスや配当を重視する姿勢、さらに1株から取引できることに大きなメリットがありますが、上記のようなデメリットも考慮しながら投資を検討した方が良いでしょう。